喪失のポリフォニー
2021年に発足した自死遺族自助グループに、『金沢ほっとの会』があります。
立ち上げメンバーの一人、佐藤さんという当事者に初めてお会いしたのは、2022年9月に東京新橋で開催された『全国自死遺族フォーラム』の研修会でした。
その後、佐藤さんはある日ひょっこりと、さいたま市『星のしずく』の集いにも参加していて、以来自死遺族の緩い繋がりが持てたのですが、これまたあるときひょっこりと、佐藤さんと金沢ほっとの会を運営しているご遺族が考えているという、アート企画展作品のご案内メールが送信されてきたのが、未知なるものへ参加のキッカケでした
↓
――制作について企画書より――
【概要】
中森あかねは自死遺族をテーマに、作品制作をしたいと考えている。
自身が11歳の時に父親を自死で亡くした。
1998年より「彗星倶楽部」という名でギャラリーを運営し、アーティストの作品の紹介をしてきた。
自身でも制作してきたが「自死」をテーマに取り上げることはなかった。しかし自身に残された時間を思い、50年経った今あらためて長い間抱えてきた「問い」に対して作品という形にしたい。
【作品タイトル】
喪失のポリフォニー
(ポリフォニーとは複数の独立した声からなる音楽形態の事)
【コンセプト】
中森は父の自死について家族と話すことはなく疑問も辛さも共有できずに来た。
2017年、東京の「自死遺族の会」にはじめて出向く。
2021年、有志3人とともに「金沢ほっとの会」を立ち上げ、2ヵ月に一度の分かち合いの会を開催している。
多くの遺族の人びとに出会うことでひとりひとり体験した内容は違っても共通した喪失の悲しみを抱えていることを知る。その人びとの悲しみの経験や物語をすくい上げ、集め、作品としたい。
また自身の感情の落としどころとして制作してきたものを同時に発表したい。
【内容】
(こちらについては、もう少し制作が進んでからお話できたらなと思います/ポピー)
…と、企画書を読んだ段階で…
さて、どうしましょう、と。
自死をテーマに作る作品。
そう多くはなくとも過去にも様々な媒体で作品化、商品化されてきたものがありますね。
自死された有名人や知人を被写体の一部にした油彩画とか。
歌謡曲にもありますね。
(ユーミンの⇒ひこうき雲もそうなのでしょうか?)
※死因が特定されてない感じもうけます。
小説にはけっこうありそうですね。
しかし、その後にのこされた自死遺族にテーマを絞ったものはなかなか無いように思います。
(映画『鈴木家の嘘』は自死遺族その後のストーリーでした)
珍しい一本?
佐藤さんから送られてきた中森あかねさんが形にしたいもの。
自死遺族当事者の声(音声収録)を素材として作る、複数人の遺族協力者の声がなければ絶対に成り立たない作品は、私は見たことも聞いたこともありません。
さて、どうしようか。
ブログに目を通してくださった方々でも、参加してみるかどうか以前に、こうした作品について賛否両論あると思いますが、私は暫し考えたあと参加させてほしいと返信しました。
自死の遺族が発した言葉「声」を紡いで奏でた音楽形態に近いものを、アート作品として世に掲げてみることは、ぼんやりとタブー視されるが故に無くならない偏見という闇に、僅かな明かりを灯してはくれないでしょうか。
……と、勝手な要望と未知なることへの疑問符が『?』。
疑問…であるならば、やってみたらいいんじゃないのか、と思うのが私なのでしょう(^_^;)。
去る5月7日に、インタビュー対話形式で音声と動画収録が終了しています。
当事者仲間の春さんと、(一足先に)高橋一夫さんも協力参加されました。
高橋一夫さんから更に、埼玉県越谷の自死遺族会『大きな木』の林 道代さんにも繋がりました。
非常に悲しいことが発端ではありますが、ウェブ上であれリアルであれ、協力し“あえる”ことがあるとすれば大変有り難く、嬉しいと感じます。
喪失のポリフォニー
◆今後の予定
富山県砺波市の「ギャラリー無量」の企画 2023年キュレーション公募において、キュレーター清水冴が企画するグループ展「あわいを縫う(仮)」に出品。※「記憶をほどく、編みなおす。」
(先日5/7星のしずくの集いに🔰初参加されました)
◆展示期間
2023年10月7日(土曜日)~11月27日(月曜日)
◆場 所
⇒ギャラリー無量にて オープニング
古民家を改装した現代美術のためのアートスペース。
〒932-0315 富山県砺波市庄川町示野233
TEL: 0763-82-2214
6月にグループ展のプレスリリース(メディア向け)予定。
追って、ご案内していきたいと思います。
📷『2023有ちゃんの薔薇』
生前、娘の有ちゃんが小学生の頃お小遣いで買ってきてくれたミニ薔薇が、今年も咲き出してます。(私のブログアイコンがこれです(^^))
去年虫にやられて、かなり剪定したので全体的に小さくなってますが、現在3つほど蕾も付けて頑張っていますyo☆
◆自死遺族の集い
お問い合わせ hoshinoshizuku0922@gmail.com
◆第三者委員会について
◆自死と向き合い、遺族とともに歩む
⇒『法律・政策―社会的偏見の克服に向けて』手引書フリーDLぺージ
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