浦和物語

 乳がんの再発予防対策の一環として、私は日々45~60分小走りウォーキングを続けています。

 生きる気満々というよりは、こんなことでも気持ちを奮い立たせる理由にしていかないと、生きてゆく歩調具合が芳しくないことがわかってきたからだと思います。


 事後からは、健康状態において少し投げやりに生きてきた感が否めません。

 3年弱前に罹患し、サバイバーとなりつつある今の方が、健康状態に気をつけて生きるようになったようです。

 『危険な暑さ』と言われる天候が続いている近年は、太陽がすっかり沈む20時以降から小走りに出ます。



 ところがこの8月の上旬、ポーンと前のめりに(宙に投げ出されたように)横断歩道を渡るときにスッ転んでしまいました。_| ̄|○


 この時に感じたスローモーション的な投げ出され感は、映画『下妻物語』のオープニングにある原チャリ事故に遭った深キョンの様子にそっくり…。

  ↓



 顔面(右頬)をアスファルトに打ち付け、ハッとしました。


 目の前を横切ろうとしたジョギング中の中年男性が介助してくださり、早々に歩道に渡ることができましたが、あちこち擦りむいて出血している怪我より、右肺に違和感があったのです。


 よろよろと再度小走りトレーニングをスタートしようとしましたが、「すぐに自宅に引き返すべき」と中年男性に忠告されたので言われる通りにしました。



 結果、さっさと帰宅して良かったと後日思いました。<(_ _)>

 右肺が呼吸の度に痛みが増してくるのが翌日以降にわかったのです。そして三日後には、くしゃみもできないくらい痛い。汗


 そういや以前、義妹が自宅で転び肋骨にヒビが入っていることを、痛みが増してきた後日に知ったという話を聞いたことがありました。なので、…これは…やっちゃったのかなと、その後、痛みが完全になくなるまでの3週間はトレーニングを中止していたわけです。



 …小走り如きで転んだ痛みが消えるまで、3週間も要したことはこれまでなかったので、驚きと共に、忍び寄る『老い』をひしひしと感じたものです。

 必然的に彼の世には確実に進んでいることに、妙にホッとした?


 そして、久しぶりに派手な擦り傷を負ったお陰で、とても懐かしいものを目にしました。



 有ちゃんが逝ってしまう8ヵ月くらい前のこと。

 部活動で大怪我を負ったのです。足の靭帯を痛めていたのが後日診察で判明したのですが、最初は擦り傷だけだと思い、薬局で買ってきたスプレー式の傷口消毒液を吹きかけて湿布しておくだけでした。

 そのスプレー缶を9年ぶりに薬箱の奥に見つけたのです。




 本当は相当な怪我だったんだよね。


 一カ月間松葉杖で登校。

 杖が不要になってからも更に一ヵ月通院。

 その間、部活の先輩たちが先生からの伝言ということで、随分と心無いことを言ってきたらしい。


 「そろそろ球拾いくらいに出てきたら?って先生が言ってたよ」



 しょんぼりしながら、お家で話してくれたよね。


 速攻でモンスターマミーとなって学校に問い合わせし、顧問は謝罪、有ちゃんを護って一件落着したなんて軽く思っていたんだ。


 靭帯を傷めた治療は一応終えはしたものの、こころに受けた小さな傷は、見えないところでじくじくと化膿していったのだろうね。


 部活を辞めたいって言い出したよね。

 お姉ちゃんをミカタに付けてまで、抗議して。


 なのに、あと一年で卒業だから頑張りなって言ってしまった。




 こころの奥底で鎮座していた自責の念が、ぬぅーっと起き上がってきました。

 年数が経ってから、あれも? これも? と出てくる棘のようなエピソードがいくつかあります。


 小走りトレーニング中に転んだ時のスローモーション感で浮かんだ映画『下妻物語』から、あの台詞も蘇ってきました。

 主役の深キョンが将来の夢について悩み始めた時に、祖母役の樹木希林に言われた台詞です。



オマエの道を行け。
他の誰とも違う、
オマエじゃなきゃダメだって場所が
きっと見つかるからよ。




 なぜ、部活を辞めたいと言ってきた時に、こんなふうに返答して、行きたい道へ行かせなかったのか。


 物語と現実は違う?


 そうだろうか。



 家族で何度も何度も笑いながら観ていた、爽快映画の教訓が生かされなかった懺悔を込めて、久々に観てみました。



 悔しい。悲しい。


 けれど有ちゃんと此の世で共有できたハートウォーミングで、家族皆が笑顔にもなれた物語は、やっぱり大切な親子のテーマムービーです。




☆グリケア食べ物写真部☆


 時々何かの拍子に起きて来る強烈な自責の念には勝てないものですが、せめて負けないよう、この夏も平らげてまいりました。去年はハスワーク(ランプ作りお疲れ様会)でご一緒された方々もいましたね(^-^)。

浦和の老舗うなぎ屋『満寿家』




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