記憶をほどく、編みなおす

『自ら命を絶つ』という逝き方。


それを意味する日本語(熟語)は、何通りかあるのですよね。



『自殺』『自決』『自害』『自死』……まだあるのかな。



こうして並べて観ると、微妙なニュアンスの違いを各々の言葉から私は感じます。


うちの他界した娘、有ちゃんの『いしょ』の中で本人が『自殺』という言葉を使っていたのは、単に14歳という若年層で至ったために、そのとき世間一般的に一番ポピュラーな言葉であった影響からだと思います。


本人が書いた内容を、事後に何度も何度も読み返して、私が感じたのは『自決』でした。



全国自死遺族連絡会で、専門家の先生たちを交え遺族当事者の方々とも協力して作った『法律・政策―社会的偏見の克服に向けて』手引書フリーDLぺージでは、遺書全文を掲載しています。


そうしたことに対しては賛否両論あると思います。

故人の尊厳を無視して…云々仰る方も居ると思います。


でも、有ちゃんのマミーである私には、そうしてあげるべきだと感じたのですよ。




彼女は学校の机の上に(ある意味)堂々と、便箋4枚の遺書をのこしていきました。


世間一般の大人たちに向けたもの、此の世で出会った人たちへ宛てたもの、家族宛てのものです。


その他にも、遠くに住んでいた親友さんと、同市内に転校した親友さん二人には、郵送で遺書を送っていました。


広く、皆に読んで欲しかった(知らせたかったケースだった)のだと思いました。

此の世に生まれて、生きて、ちゃんとお礼を述べて、逝くのだということを。



最後の一文には私宛の言葉が大きく書いてありました。

私は有ちゃんに『その時の想いを』託されたのだと、ある時から心に留めたわけです。




周りに死因を知らせないというご遺族は多いと思いますし、その理由も様々ですよね。

もちろん無理に話す必要もないですし、話せる相手というのも選んで当然だと思っています。


が、少なからず(少なくはないと思いますが)、日本人特有の偏見の持ち方(忌み嫌う風潮、憶測によるもの等)や、無知であるが故の偏見(自死について深く考察する機会が無いため等)が、自死遺族でない方からも、自死遺族当事者の中からも少しずつでもフェイドアウトできたらなと私は思い願い、自身の出来る範囲で活動を続けています。




先日のりゅうちぇるさんの逝去で、自死遺族以外のブロガーさんの記事に書かれていた内容から、「自死=命を粗末に扱った事と捉えている人たちが当たり前に居るんだなぁ」と、……思うことがありました。


自死と一口に言えども、本当は広すぎて深すぎて、一人一人違う背景もありますので単純には言い表せないのですけれど。

一般的にはそう考える方々がまだまだ多いのだなと、正直哀しくもなりました。



そんな最中でしたが、


2023年4月に知り合うキッカケを持ち、5月に参加させていただいたアート作品、自死遺族当事者の協力が得られなければ完成しないプロジェクトの、プレスリリースが出来上がってまいりました。



以前、都内で開かれた自死遺族カンファレンスで、とある支援民間団体の登壇者(当事者ではない方)が語ったのですが。

「自死は後の祭りなのですよ。もう完結したこと、終わったことで苦しんでいる」…というような講演でした。


最前列で聴いていた私は、メラメラと疑問と怒りが湧いてきたものです。←チキンなのでその場で意見申し立てが出来なかった💦


自死で他界した大切な人たちの想いと共に、自死の遺族となった方々の人生は続いて行くことが蔑ろにされているようなので、ちゃんと知ってほしいと思いましたね。



知っていただく方法、手段の一つとしての切り口に、こうしたアート展も成り得るのではないでしょうか。

◆ギャラリー無量◆

『記憶をほどく、編みなおす』~喪失のポリフォニー

制作/中森あかね

企画展会期 2023年10月7日(土)~11月6日(月)

 (土曜日、日曜日、月曜日のみ会場)


協力: 自死遺族自助グループ

 金沢 ほっとの会

 さいたま 星のしずく

 渋谷 とうきょうみずべの集い

 越谷 おおきな木


 佐藤 勝利

 高橋 一夫

 前川 恵利子(ポピー)

 

 大塚 亜由武

 林 道代



インタビュー収録した音声や動画を使い、どのような空間アートとなっているのか、私は観に行きたいと思っていますので、乳がん再発予防治療も頑張ります🌟。


たまたまこのタイミングで繋がり、協力し合えた参加者の皆様にも感謝します。

星のしずく*管理人




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