墓バナ

故郷の実家で、一人暮らしをしている実父から、真夜中に電話がありました。



3年以上前、全身をカミナリで直撃されたかのような激しい痺れの発作で倒れた父。

以来、認知症の母の介護ができなくなったため、母は施設へ。


父は疾患がみとめられた頚椎を手術したものの、全身の痺れ感は完全にはなくならないまま、現在の一人暮らしに至ります。


なので、この夜もまた痺れと痛みで眠れないのだろうなと、電話に出ましたら、話の内容は別のことでした。




実家から徒歩10分ほどの位置にある、地元八戸市で管理している広い霊園に、亡き娘 有ちゃんが納骨されているお墓があり、その真隣りにはうちの実家のお墓も並んでいるので、父はほぼ毎日手を合わせに通っているようです。


その日も朝から向かったようですが、『お墓のまわりの僅かな土のスペースに植えていた秋桜』が、全部抜き取られていていた!と、「つるんこだ!つるんこ!」と、連呼で怒りを顕わにしていました。


お盆あたりから綺麗に咲くのを、今年も我々が帰省したときに見てもらいたかった、『管理局へ電話してくれ!』と、おこモード。


しかし…


管理上、お墓まわりや歩道脇の草は、全て雑草と見做し抜き取るという決まりがあるのかもしれないし、果たして? とは思うのですが。


父は『つるんこ』連呼で、がっかりしていましたが、すぐに、

『また種を蒔いておくべぇ』

と、ぼそっと言って電話を切りました。


………

 芽が出てきたところを抜かれたらどうすんの。



『また蒔いとくべぇ』


 そうだね、それでもまた蒔くのだね。


そんな声が聞こえてきます(^_^;)。



東北なので、お盆のお墓参り時でも、秋桜は早めに開花していることがあります。


お墓参り帰省陣にも見せたくて…

それも含め、9月生まれだった亡き母と有ちゃんのために、また繰り返し秋桜の種を植えるという、父なりの供養なのだと思います。


…………

 毎日水やりに通うのだね。

 そしてお墓掃除。

 冬場は雪かきもあるよね。

 (管理が行き届いた霊園ではあるけれど)


それにしても、母を含むご先祖様のお墓だけならともかく、孫のお墓の世話をもさせることになるとは。




ごめんなさい。


そして、いつも本当にありがとうございます。


私が今、できるかぎり健康で生きていようと思う理由の一つになってくれている84の父の存在は、優しいのです。


事後当初には「なんで死ななきゃならんのだ…薄気味が悪いな…一体なにが…」なんてストレートな感情そのままの、言葉のパンチを浴びせられたこともありましたが。

そのくらい、父も本当に訳が分からなくてパニックを起こしていたのだと思います。


母も好きでしたが、私はたぶんパパっ子なのだと、この年齢になって思うのです(汗)



🎨

恩返しには程遠いですが、お墓に植えた秋桜が抜き取られないよう、看板のラフを描いてみました。


………( 一一)

もう少しやわらかい物腰バージョンも考えるとします。


まだ一ヶ月以上ありますし。


今年のお盆墓参り帰省に、注意書きミニ看板を持ち帰ろうと作画中です。

星のしずく*管理人




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