【東】北の国から


有ちゃんの命日翌日、故郷の霊園に向けて早朝出発したはいいものの、途中郡山駅で強風大雪のため、ポイント点検があったらしく、約5時間強、東北新幹線他が停滞してしまい、遅延だけでなく運休便も出るとのアナウンスが流れていました。


これはアカンと、チケットを運行予定便に換えて待合室で待機していましたら、取り換えた便も運休になる始末。


運行予定便到着10分前に、漸くそれに気がつく私も私ですが……チケット窓口は長蛇の列。

どう見ても無理、乗車に間に合いません。


駅員さんにグチグチ言いながら、強引に指定席を持たない状態で『はやぶさ』に乗り込ませていただくことに。



がっ!


有ちゃんの基地に手向けるために、お気に入りショップでアレンジしたフラワーが手元に無いのです。



はっ(;´゚д゚`;;)………


さっきトイレに行ったときか!




エスカレーターを涙目の逆走で駆け下りる『変なオバサンひとり』。



有ちゃん、

マミーは相変わらずこんなことをやらかしています。

横で失笑していることでしょうね。




まるで冷凍庫。


2年前、実母の葬儀以来の、真冬の帰省になりました。



5時間強の遅延もありましたが、想い偲ぶことも、彼の人たちと対話することもたくさんあり、お伴の本もありで、退屈とは無縁です。

かえって良い時間を与えられたような。



途中、実家で一人暮らしの父から電話で、有ちゃんの話題がガツンと出ましたが、


…そうだな、あまり言わんでおこう、ダメだダメだ、悲しくなるからなぁ…

と、話すのをすぐに止めてしまいました。



私としては、もっと会話に出してほしい。


父と私が共有している、有ちゃんの思い出話を今ならもっともっと一緒にしたいのです。

(や、前からかな)

が、父はいつもこんなふうにパッと途中で止めてしまう。

(主人もそんな感じなのかな、そういうところは似ているな)





どっぷり日が暮れてから実家に到着。


宿泊予定の2階床の間は、既に暖房であたためられていて、そしてラックの上には、



まだ首も座っていない頃の、有ちゃんの写真が飾られていました。



こんな懐かしい写真を引っ張り出して………!

(有り難いような悲しいだけのような、でも嬉しいような…)


アカン切なさが溢れ出す。




 ――無口になる雪の夜――







翌朝、実家から車で5分の霊園に行くと、歩道から基地に入っていく道がありません。



&アカン寒さ。




人間除雪者、始動。(父84)



父『おい、車から出てきて手伝え


私『いや、ここで見てるよ。歩く姿はもう見納めかもしれないし』← 一言余計。


(アカン寒さに車から出れないだけでした!?汗)



父『はぁ?




有ちゃん基地の、お線香を灯す小窓が、凍って開きません。


ほんまに開かん(アカン)(^_^;)。


供えたみかんは冷凍みかんになりかけましたが、悴んだ手で皮を剥き、父と母と有ちゃんと、階上岳と遠く水平線を眺めながら4人で黙々と味わいました。


2022(東)北の国から。

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